バスクの道はフランス北部の海岸線からフランス人の道へ結ぶルートであり、バスク地方を通過することからCamino Vasco del Interior又はフランス・バイヨンヌ地方を始点とするのでCamino Bayona(バイヨンヌの道)とも呼ばれています。この道はローマ時代からイベリア半島北部の海岸地域から内陸のカスティージャ(Castilla)地域へ向かう交易路として歩かれていました。
美しい海岸線を後にしてオリア川(Oria Ibala)沿いに歩き、現在では数キロの工業地域となっている個所を過ぎて松や樫の森林の多いバスク北部ヘ向かいます。Gipzkoa(ジプスコア)県,最奥の村Zegam(セガマ)を後に山道を登るとAlzva(アラバ)県との県境に岩壁を刳り貫いたサン・アドリアン・トンネル(Túnel de San Adrián)を通過します。緑の街路樹の美しいバスク州の首都ビトリア・ガステイス(Vitoria・Gasteis)まで来るとカスティージャの平原に近い様相となります。ビトリア・ガステイス(Vitoria・Gasteis)を過ぎるとサント・ドミンゴ・デ・カルサーダ(Santa Domingo de Calzada)へ向かう道と直接にブルゴス(Burgos)へ至る道に分かれフランス人の道へ合流します。現在でフランスのパリからボルドー(Bordeaux)、バイヨンヌ(Bayone)を通るパリの道(Chemin de Paris et de Tours)フランス人の道へ抜ける巡礼者が利用しています。フランスのバイヨンヌ(Bayone)からサンテャイゴ・デ・コンポステーラ(Santiago de Compostela)までは約760Kmです。
サンクティ・スピリツ(Sancti Spiritus) | ビイトリア・カステイスの街 |
バスクの道(Camino Vasco del Interior)行程は下記の通りです。
イルン(Irun)からサント・ドミンゴ・デ・カルサーダ(Santa Domingo
de Calzada)まで
121.6Km 6Etapa(区間)
イルン(Irun)からブルゴス(Burgos)まで 33.6km 1Etapa(区間)
図 1.1 全体ルート図
Camino Vasco del Interior (http://www.xacobeo.fr/ZE3.03.Vasco.htm)
El Camino Vasco del Interior(http://www.gronze.com/camino-vasco) より
高低差 (Irun - Burgos)
Camino de Santiago Vasco del Interior-Vía de Bayona.
(http://zinaztli.blogspot.jp/2013/04/camino-de-santiago-vasco-del-interior.html)より
下記のHPに詳細な行程・ルート図がありますので参考にしてください。
・Gronz.com (Camino Vasco Interior):
http://www.gronze.com/camino-vasco
・EROSKY CONSUMER (Camino Vasco):
http://caminodesantiago.consumer.es/los-caminos-de-santiago/vasco/
バスクの道(Camino Vasco del Interior)の宿泊施設は前校のWebサイトに紹介されています.
2016年9月イルン(Irun)からブルゴス(Burgos)までを歩きました。
区間距離は約269kmで12Etapaと比較的短いルートですがバスクの内陸部を歩く事から変化の多い
素晴らしい巡礼路でした。
ビトリア・ガステイス(Vitoria-Gasteis)からサント・ドミンゴ・デ・カルサーダ(Santa Domingo
de Calzada)へ向かう道と直接にブルゴス(Burgos)へ至る道に分かれますが静かな巡礼路歩きを望むの
であればブルゴス(Burgos)まで歩くことをお勧めします。
(1)緑豊かな山バスクを楽しめるルート
初日のイルン(Irun)からエルナーニ(Hernani)間は北の道に似て比較的アップダウンの多い区間です
がその後、セガマ(Zegama)まではオリア川(Oria Ibala)沿いの道となり廃線跡の歩道・自転車道や
鉄道線路脇を歩きますがトローサ(Tolosa)からベアサイン(Beasain)間は工業地帯で歩道の無い国道
を多く歩くためこの区間はお勧めではありません。
セガマ(Zegama)からSalvatierra-Agurain(サルバティアエラ-アグライン)は標高差約895m、26Km
の厳しい区間ですがサン・アドリアン・トンネル(Túnel de San Adrián)を通るハイライト区間です。
ビトリア・ガステイス(Vitoria-Gasteis)からブルゴス(Burgos)も比較的緑の多い静かな巡礼路歩き
を楽しめます。
(2)巡礼路の標識、アルベルゲ(Albergue)は完備している
イルン(Irun)からブルゴス(Burgos)までルートの標識は問題なく設置されていますが、スペイン国内
のハイキングコース(GR)も並行したり交差する事もあり注意が必要です。
アルベルゲ(Albergue)は各Etapaに公営(Municipal)のアルベルゲがあり問題ありません。
特にビトリア・ガステイス(Vitoria-Gasteis)からブルゴス(Burgos)間のアルベルゲ(Albergue)は
収容人員は10人程度ですがいずれも清潔で素晴らしい設備のアルベルゲでした。
(3)アルベルゲ(Albergue)にホスピタレロが常駐していない
途中のアルベルゲ(Albergue)はホスピタレロが常駐しておらず、ほとんどは役場(Ayutamiento)や
バル(Bar)から鍵を借りて利用する事からある程度のスペイン語コミュニケーションが必要です。
今回はタブレットにEROSKI CONSUMERの情報をダウンロードして持ち歩く事にしてガイドブックを
購入しませんでした。
現在このルートには下記のガイドブックがあります。
書名 :Le chemin intérieur (Via de Bayona) par le Amazon Fr.から購入可能 |
|
書名 :Camino de Santiago, el - dos rutas por euskadi Amazon Fr.から購入可能 |
このルートのガイドブックをHPからPDF版がロード可能です。(下記を参照ください。)
「Camino Vasco Interior Irun a Santo Domingo de Calzada」
サイト:http://www.xacobeo.fr/ZE3.03.Vas_descr_Zaragoza_es.pdf
1)Camino Ignaciano (イグナチオ・デ・ロヨラの道)とは
日本でもイエズス会の創始者として」知られているイグナチオ・デ・ロヨラ(Ignacio López de Loyola)
はバスクの生まれです。イグナチオは1522年3月25日にバスクから歩いてモンセラット(Montserrat)
の修道院を訪れマンレサ(Manreza)の洞窟に籠って瞑想生活を送りました。その後パリ大学で神学を学び
バスクへ戻った後も度々モンセラットを訪れました。
この道が近年、Camino Ignaciano(イグナチオ・デ・ロヨラの道)の道として整備されました。
この道の始点はジプスコア(Gipzkoa)州のアスペイティア(Azpeitia)にあるロヨラ城・大聖堂でフランス
人の道のログローニョ(Logroño)からカタルーニャの道(Camino Catalán por Zaragoza)を経てモン
セラット(Montserrat)へ至ります。
2)Camino Ignaciano (イグナチオ・デ・ロヨラの道)の歩き方
このルートの詳細は下記のHPに記載されています。
Camino Ignaciano ; http://caminoignaciano.org/
このルートのクレデンシャル、ガイド・マップ等は上記ロヨラ城内の案内所にて購入することが出来ます。
私は今回(2016年8月27日)バスクの道(Camino Vasco)を歩く前にロヨラ城・聖堂を訪れる事が
出来ました。2014年にこのルートの途中にあるアランサス(Arantzazu)修道院を訪れたこともあり
何時かこの道を歩いてみたいと思います。
Catedral Ignacio de Loyola | アランサス(ARANZAZU)修道院 |
ガイドブック
書名 :Guía del camino Ignaciano Amazon Fr.から購入可能 |